3/07/2013

オルセー美術館のカフェ、カンパーナ


Café Campana au Musée d'Orsay

オルセー美術館の建物が元駅だったことは有名ですが、この修復と改装に際して、内装は建物との調和を考慮し、近代的なデザインにすることになりました。このコンセプトに沿って、大時計の裏側に位置するカフェのデザインは、ブラジル出身のデザイナー、ウンベルトとフェルナンド・カンパーナ兄弟に一任されました。ガラス工芸で名高いガレとアール・ヌーボーからのインスピレーション、そして彼らによると“夢の中の水辺”がイメージのデザインだそうです。

カンパナ兄弟ははじめ全くデザイナーになるつもりはなく、自宅の内装を自分達でやったことがきっかけになったとか。ブラジルの雑多な人種が混じった大都会のカオス、ファベラ地区の貧しさから、自然にリサイクルが彼らのライトモチーフに。その斬新で、決定的にエコロジックな作品は、デザイン界に新しいスタイルを打ち立てました。
最初のヒットはコットンロープを手編みして作った椅子ヴェルメーリャVermelha chairで、これによって世界的な名声を得、ニューヨークのMoMaでも、彼らのデザインを取り上げたエクスポジションが開かれました。

初めてオルセー美術館を訪れた人は、1階の大ホールとその両脇の沢山の部屋の絵画を鑑賞し、2階へ上がって印象派を見始める頃には、かなり疲れているはずです。カフェ・カンパナはちょうど印象派を過ぎて、もう歩けなくなったあたりにあり、休憩に最適。ブラッセリー風のランチ(特に素晴らしくはありませんが)の他、ティータイムには、ミルフィーユや、レッドベリー、パイナップル、アプリコットなど、各種フレーバーのバウンドケーキ、これは美味。
オルセー美術館の地下には、小規模なコンサートホール“オーディトリウム”があり、室内楽、リサイタルなどのプログラムが充実しています。お昼のコンサートは14、夜25又は 35とお手頃。その上オーディトリウムの切符でオルセーの常設展も当日鑑賞できるので、カフェを有効に使い、美術と音楽の1日などお勧めです。411日のジェニファー・ラルモール、18日のカリーヌ・デセイ、516日のマリーニコル・ルミューと、3人のメゾソプラノのリサイタルは見逃せません。ネット予約可。指定席ではないので、30分前に入場すること。

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